第2回 精油ってなに?

【連載コラム “隣にアロマ” があるといいワケ】

精油(エッセンシャル・オイル)とは、ハーブなどの植物から芳香物質を採取して集めたもので、花や葉、根、樹皮、樹脂、果皮などのさまざまな部位から抽出されます。植物から抽出される精油の量は非常にわずかで、たとえば、1kgの精油を採るためには、ラベンダーでは150kgの花が、ローズでは3トンもの花が必要となります。ローズの精油“1滴”で考えると、なんと約60本分ものバラの花びらが使われているのです。このことからもわかるように、精油には植物が持つ香りの有効成分が凝縮されています。だからこそ、たった1滴でも優れた効果を発揮するのです。
精油には、数十から数百種類もの有機化合物の成分が含まれていて、心と体にさまざまな影響を及ぼします。その働きは、心理的な作用をはじめ、生活リズムやホルモンの調整作用、体内のさびつきを防止する抗酸化作用、抗菌・抗ウイルス作用、保湿作用など、じつに広範囲に渡っています。一種類の精油だけでも多様な効果が期待できます。さらに、数種類の精油をブレンドすれば、効果は相乗的にアップするでしょう。
Tonalini代表を救ってくれた
宮川明子さん著『心と体をケアするアロマテラピー』より引用
「きゃ〜、敵(昆虫)がやってきた!」「ミツバチさん、種を遠くまで運んでね。」「今日はやけにお日さまが大きいなぁ、紫外線対策しなきゃ。」
こういうとき自分で動くことのできない植物は、自分の身を守るために、芳香成分を作り出して様々な工夫をしています。これらの場合は、殺菌や抗菌、忌避作用であったり、誘引作用、冷却作用などを持つ芳香成分を、それぞれの植物がそれぞれの環境・状況に応じて生成しています。植物が生きるために光合成して作る栄養素のことを一次代謝産物と呼ぶのに対して、植物が作り出す芳香成分は二次代謝産物(フィトケミカルズ)と呼ばれ、実はそれらは、私たち動物にとっても有用性があることが科学的に証明されています。例えば、緑茶のカテキン、大豆のイソフラボンなどもフィトケミカルズです。
精油のことを「植物のパワー」とつい表現しがちなのですが、誤解を招く恐れがあると思うのでここできちんとお伝えします。今お話している芳香成分って、植物によって異なる“分子構造”から成り立っているんです。その分子構造が様々であるから、香りや作用の違いを生み出し、何百種類の精油があるのです。そう、アロマセラピーってきちんと化学的に分析されているんです。
・・・なぜ、あなたの隣にアロマがあるといいのかって?
精油とは、これらの芳香成分を持つ植物から抽出した分子をごっそりまるごと取り出して集めたもので、成分の添加も除去も行われていません。つまり、自然のものだからこそ、人間の体に良いものも入っているけど、悪いものも入ったままなんです。何か特別な成分を増やしたり、減らしたりもしていません。そのため、精油を使用する際は十分な注意が必要です。
しかし言い換えれば、精油というものをしっかりと理解し適切に使うことで、体にも心にもとても優しい形で、病気の予防をしたり、自身の健康のバランスを整えたりすることもできるんです。精油は、体の中の過剰なものは減らし、不足しているものは増やしてくれる働きを持っています。
私は長い間、心身の不調を感じたときに取る選択肢は「病院(西洋医学)」や「白いお薬」だけだと思っていました。「緑のおくすり」をもっと早く知れば良かったと強く感じています。アロマセラピーが全ての万能薬と言っているわけではありません。ただ、今まで生活に取り入れていなかった人にもぜひアロマセラピーという選択肢の存在を知ってもらえたらと思っています。最近の便利すぎる時代に暮らしていると、どうしても自然から離れた生活を送ってしまいがちです。アロマセラピーは、私たちの心と体が自然の一部であることを気付かせてくれます。
だからそう、あなたの隣にいつもアロマがありますように。
気になったら、まずは使ってみてください。
気にいったら、ずっとそばに置いてみてください。
ちっちゃな小瓶で救われることもあるかもしれません。

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※本サイトでは、「アロマセラピー」と「アロマテラピー」の両方を使用していますが、英語読みかフランス語読みかの違いで、意味は同じです。